豊田自動織機 RECRUITMENT WEBSITE

産業車両・物流

調達部が推進した3つのプロジェクト

共存・共栄の精神を貫き、

QCD向上を支える。

MEMBER

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    トヨタL&Fカンパニー
    調達部
    鬼頭 良治

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    トヨタL&Fカンパニー
    調達部
    島本 大史

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    トヨタL&Fカンパニー
    調達部
    中谷 拓哉

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    TMHMS
    Procurement Dept.
    Jonsson Eric

STORY 1

調達部の仕事とは。

調達部と聞いて、どのような仕事内容を思い浮かべるだろう。商品の製造に必要な部品・材料・設備をサプライヤーから購入する――狭義に捉えると、それが調達部の仕事だ。しかしそれは一つの側面を表しているに過ぎない。

調達部は単に部品・材料・設備を仕入れているわけではない。製造業ではQCD(Quality=品質、Cost=コスト、Delivery=納期)が競争力を左右する。良いものを、低コストで、タイムリーに、安定的に仕入れるために、社内外の多くの人たちと協業しながら、多岐にわたる活動に取り組んでいる。その仕事内容の広さ、やりがいの大きさは、きっとあなたの想像を超えているはずだ。

STORY 2

横串の通ったグローバルな体制。

本記事ではフォークリフト事業の調達部が取り組んだ、3つのプロジェクトにスポットを当てる。各プロジェクトの紹介に入る前に、組織の特徴について触れておきたい。

「当社のフォークリフト事業は『トヨタ マテリアル ハンドリング グループ(以下、TMHG)』という組織の下でグローバル展開しています。調達機能についてもTMHGの中で横串の通ったグローバルな体制を整えていることが特徴です」

そう語るのは、トヨタ マテリアル ハンドリングジャパンでグループマネージャーを務める鬼頭だ。

「調達機能は拠点ごとの分散管理よりも、一元管理の方がコストメリットを出しやすい。これは定説です。しかし当社のように買収した会社も含めてグローバルに横串の通った調達組織を整えている企業グループは、おそらく他にあまりないでしょう。企業文化や国・地域の文化の違いを越えて調達組織を一つにまとめるのは簡単ではありません」(鬼頭)

ではなぜ豊田自動織機は、それを実現できているのか。

「共存・共栄の精神を大切にしているからだと思います。買収相手の文化や流儀を無理に変えようとするのではなく、良い部分を尊重しながら一緒に取り組んでいく。当社の伝統でもあるこのような精神が、グローバルな調達組織の実現につながっているのではないでしょうか」(鬼頭)

共存・共栄の精神とは、具体的にはどのようなものか。それは、これから紹介する3つのプロジェクトを通じて感じていただけるはずだ。

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STORY 3

調達ビジョン策定 1:グループ会社の社員をリーダーに。

1つ目に紹介するプロジェクトは「調達ビジョンの策定」だ。

TMHGでは数年に一度、調達ビジョンを策定する。今後の方向性や重点的に取り組む項目を示すものだ。

「調達機能は世界各地に点在しているので、明文化した指針がないとそれぞれが別の方向に進んでしまいます。ビジョンを通じて今後の方向性を共有することは、TMHGの調達活動を強化する上で非常に重要です」(鬼頭)

鬼頭は調達ビジョン策定プロジェクトのリーダーをエリックに任せることにした。

エリックはスウェーデンにあるグループ会社の社員。豊田自動織機には「海外関係会社との交流を促し、仕事の仕方や文化を互いに学ぶこと」を目的とするICT(※)制度があり、その制度を活用して日本に赴任していた。
※Intra Company Transferee:企業内転勤

「スウェーデンの大学で生産工学・生産管理を研究していた時からトヨタ生産方式にとても高い関心を持っていました。入社後、日本で実務研修を受けられるICT制度があることを知り、ぜひ活用したいと思ったんです。調達ビジョンの策定というミッションを聞いた時はとても光栄に思うと同時に、このような重要な役割を任せてもらったからには、より良い未来につながる成果を残さなければ、というプレッシャーも感じました」(エリック)

鬼頭にはエリックに任せた明確な意図があった。

「エリックが在籍する会社は買収によってグループに加わりました。つまり、元々の母体が豊田自動織機グループではない会社です。その社員がビジョン策定をリードしていくことで、共存・共栄やダイバーシティの文化をより醸成できると考えました」(鬼頭)

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STORY 4

調達ビジョン策定 2:顔を合わせて声を聞く。

ビジョンの策定に当たってエリックが注力したのは、各拠点メンバーの声を聞くことだった。全拠点のゼネラルマネージャーを集めての会議。各拠点から担当者を数名ずつ集めてのワークショップ。パリ、アムステルダム、ニューヨークなど、世界各地を飛び回りながら、さまざまな形式で、さまざまな役職のメンバーから、顔を合わせてそれぞれの思いを聞いた。

しかし、世界中の拠点から集まるメンバーは、それぞれ異なる価値観や考え方を持っている。その議論をリードするのは、決して簡単なことではなかった。

「議論がこう着した時、いつも私を助けてくれたフレーズがあります。それは“It’s a fact”。鬼頭さんからはたくさんの賢明なアドバイスをいただきましたが、その中の一つです。大切なのはまず事実をしっかり見て、課題をあぶり出すこと。課題を『見える化』できれば、議論を前に進めることができる。そのメソッドをプロジェクトを通じて学びました」(エリック)

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STORY 5

調達ビジョン策定 3:サプライヤーの浸水被害とコロナ禍。

調達ビジョンの策定作業は予定通りに進んでいた。しかし、TMHGを大きく揺るがす事態が起こる。

猛烈な風雨を伴う台風により、長野県の千曲川で堤防決壊が発生。その地区にあった1社のサプライヤーの本社工場が全域にわたって浸水してしまった。そのサプライヤーから部品が供給されなくなった影響で、豊田自動織機の高浜工場も操業を1カ月間にわたって停止。フォークリフトの生産がゼロとなった。

浸水したサプライヤーの工場を復旧させるために、高浜工場だけでなく、豊田自動織機全体から多くの社員が現地へ。他のサプライヤーの社員も集結し、一丸となって水かき・泥かきをしたことで、高浜工場のフォークリフト生産は3ヵ月で100%回復した。

さらにその後、想定外の事態が起こる。新型コロナウイルス感染症の世界的流行である。感染拡大防止のために社会全体で人の移動が制限されたことで、サプライヤーの工場稼働・部品供給が不安定となったり、海上輸送等の物流が混乱したりと、TMHG全体で大きな打撃を受けた。

「サプライヤーの浸水被害についても、コロナ禍についても、このようなリスクが現実になることを予測するのは難しい案件でした。しかし同時に、調達部が大きな教訓を得た案件でもありました。今後の調達部にとって最も重要なミッションは、BCP(※)の強化――サプライチェーンのリスクを可能な限り軽減し、有事にも最小化すること――私たちはその重要性を改めて認識しました」(エリック)
※Business Continuity Plan:事業継続計画

STORY 6

調達ビジョン策定 4:スローガンは「Be the One」。

BCPについては元々新たな調達ビジョンにおいて項目の一つとして取り上げる予定だった。しかしサプライヤーの浸水被害とコロナ禍を受けて、エリックはそれを変更する作業に取りかかった。BCPは項目の一つではなく、最優先事項として強調する必要があると考えたのだ。

ビジョンの内容修正のために各拠点とリモートによる会議を重ねた。そしてICT制度の期間を延長して調達ビジョンを完成させる。

調達ビジョンは小冊子にまとめられ、各拠点の調達メンバー一人ひとりに配布された。その1ページ目には「Be the One」というスローガンが掲げられている。

「国境を越えて一つのチームになり、目標に向かってチャレンジしよう――そんな思いを世界中の全ての仲間に届けたいと考えました。『Be the One』というメッセージが仲間たちへのモチベーションとなり、より良い組織になるためのアイデアや努力につながると強く信じています」(エリック)

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STORY 7

BCPの強化 1:多様なスペシャリストによる専任チーム。

2つ目に紹介するプロジェクトは「BCPの強化」だ。

新たな調達ビジョンにおいて「BCPこそ最優先項目である」という方針が示された。その活動を実際に推進するためのプロジェクトである。メンバーは技術的知見の深い者、リスク管理に詳しい者など、調達部各グループから多様なスペシャリストが集められた。

こうしたプロジェクト活動は、通常であればメンバーそれぞれが担当業務と並行して行う。しかしこのBCP強化プロジェクトは、専任チームとして編成された。各メンバーはそれまでの担当業務から離れ、BCPの強化活動だけに注力する。より強固なサプライチェーンの構築を、より力強く推進するためだ。

プロジェクトリーダーの島本は、中国生産車の原価低減プロジェクトを担当した後、このプロジェクトに立ち上げから参加した。台風で被災した長野県のサプライヤーの復旧作業も経験している。

「あの時は多くの人が泥まみれになって復旧に取り組みました。それでも100%の復旧には3カ月かかりました。そのような被災を二度と起こさせない、という強い覚悟を持ってサプライチェーン強化に取り組んでいます」(島本)

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STORY 8

BCPの強化 2:一箇所でも切れると、チェーンではなくなる。

BCPの強化活動はまず、過去の反省からスタート。なぜ1つのサプライヤーの被災によって高浜工場は長期間の操業停止を余儀なくされたのか。その原因を掘り下げた。そして今後どのような有事を想定するかを検討。数万点に及ぶ部品の中から特に備えを強化すべき部品を洗い出し、品目ごとに一件一件、社内の関係部署やサプライヤーとコミュニケーションを取った。例えば、同部品を複数のサプライヤーに分散して発注することや、有事を前提としたサプライヤーの復旧計画、部品在庫計画の検討等、BCPの方策を一緒に決めていった。

「そこまで備える必要があるのか、という意見が関係部署やサプライヤーから出ることもあります。そのようなときはBCPがなぜ重要なのかを丁寧に説明し、納得していただいています。サプライチェーンは一箇所でも切れると、チェーンではなくなります。有事にもチェーンを切らないために、愚直に一件一件、関係部署やサプライヤーと対話を続けています」(島本)

鬼頭は活動を通じ、メンバーたちの「プロフェッショナルとしての成長」を実感している。

「私はプロフェッショナルいうのは、与えられた仕事をやり切るだけでなく、自分で考えて動ける人のことだと思っています。この活動にはゴールがありそうでない。活動が正しいのかどうか、有事が起きないと分からないので検証もしづらい。その中で自分たちで仮説を組み立て、目標やポリシーを決めて、物事を進めていく。これができるということは、もう立派なプロフェッショナルです。島本君をはじめ、みんな頼もしくなったなと率直に感じています」(鬼頭)

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STORY 9

ミシュラン社との交渉 1:Win-Winをいかに築くか。

3つ目に紹介するプロジェクトは、新たな調達ビジョンで掲げられた「サプライヤーとの更なる共存・共栄」という方針を進めている事例。「ミシュラン社との原価改善契約交渉」だ。

調達部が担う重要なミッションの一つに原価改善がある。ただしそれはサプライヤーに対して、単に「安くしてください」と求める仕事ではない。Win-Winの関係をいかに築くことができるか。共に発展する「育成購買」をいかに実践できるか。それらを追求することに、調達のプロフェッショナルとしての意義がある。

TMHGはフォークリフトに使用するタイヤの調達先の一社として、フランスに本社を置く世界規模のタイヤメーカー、ミシュラン社と数年に一度、大型契約を結んでいる。次の契約をどのような内容にし、どのように原価改善を行うか。調達部は新たな契約内容の構築とミシュラン社との交渉を、中谷に任せた。

「それまでTMHGとミシュラン社は『新車に装着するタイヤ』という枠で契約していました。原価改善に当たり、私は『修理の際など、アフターサービスで装着するタイヤ』も含めて交渉することでWin-Winの関係を築こうと考えました。ミシュラン社にとっては自社のタイヤが装着される機会が増えるというメリットが生まれます」(中谷)

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STORY 10

ミシュラン社との交渉 2:TMHGの強みをフルに生かす。

世界を網羅する組織であるTMHGは、その生産量のボリュームによって原価改善を提案できる。しかしTMHGの強みは、それだけではない。開発・生産から販売・サービスまで、全ての機能を有していることも大きな強みだ。中谷はその強みに着目し、販売店におけるアフターサービスを原価改善のスキームに加えたのである。

「その実現には世界の各拠点の意見を聞き、協力を得る必要があります。TMHGとミシュラン社、ともにWin-Winとなれるポイントを探りながらの調整・交渉はとてもタフなものになりましたが、なぜそうするのかを繰り返し説明して、まとめ上げることができました」(中谷)

契約調印にはTMHGとミシュラン社、双方のトップが出席。約1年の調整・交渉の末、総額数億円の原価改善交渉を中谷はやり遂げた。

「最終的には会社対会社の契約ですから、交渉する人はトップの思いや知見を理解し、自分のものにして臨む必要があります。TMHGの経営層は共存・共栄やパートナーシップを非常に重視しています。中谷君はそこをちゃんと自分で理解し、自分のものにして大きな成果を出した。そこがすごいと思いますね」(鬼頭)

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STORY 11

温かい社会づくりに貢献するために。

グループ企業と共に。サプライヤーと共に。そんな共存・共栄の精神を3つのプロジェクトから感じていただけただろうか。

世界を網羅するグループ企業やサプライヤーと向き合い、信頼関係を築き、共に事業を成長させながら、調達メンバーも成長できる。そこに豊田自動織機の調達部ならではの仕事の醍醐味がある。それは、社会づくりへの貢献にもつながっていく。

「豊田自動織機の2030年ビジョンの中に『温かい社会づくりに貢献する』という言葉があります。私はこれを非常に大事なメッセージだと感じています。私たちTMHGの調達部門はこれからも社会に貢献し続けるために、BCPを最優先にした活動に取り組み、より強固な組織を目指していきます」(エリック)

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