豊田自動織機 RECRUITMENT WEBSITE

産業車両・物流

新型フォークリフトの開発

営業と技術が一体となり、

ニーズを超える
「うれしさ」を生み出す。

MEMBER

  • イメージ画像

    トヨタL&Fカンパニー
    営業統括部
    原田 札郎

  • イメージ画像

    トヨタL&Fカンパニー
    営業統括部
    澤井 紗彩

  • イメージ画像

    トヨタL&Fカンパニー
    製品開発センター 技術部
    西脇 孝

  • イメージ画像

    トヨタL&Fカンパニー
    製品開発センター 技術部
    馬場 達也

STORY 1

1にユーザー、2にディーラー、3にメーカー。

豊田自動織機の主力商品の一つに、フォークリフトがある。世界シェアはNo.1。国内においても半世紀以上にわたり、シェア連続No.1の座を堅持している。しかし実は、その中のあるジャンルについては、かつて十数年にわたって伸び悩んでいた。それは「リーチタイプ」と呼ばれるフォークリフトだ。

リーチタイプは、立ったまま操縦する電動フォークリフト。小回りが利き、倉庫などの屋内で使用される。元々このジャンルの国内トップは競合他社だったが、豊田自動織機は2001年に発売した商品でシェアNo.1を達成した。問題はその後だった。なかなかシェアを伸ばすことができない。原因は商品力にある――フォークリフトの商品企画に携わる原田は、お客さまや販売店の声を聞く中でそう感じていた。

「リーチタイプの商品力は、量産機種だけでなく、用途別の派生機種も含めて評価されます。お客さまは、通路幅、積む場所の高さ、荷物の形状などによって、機種を使い分けているのです。しかし当社の商品は、この派生機種が弱かった。それぞれ少量機種であることから開発投資コストの回収が困難で、長い間、モデルチェンジが行われずにいたのです。その間に競合他社は、派生機種も含めたセット販売で攻めてきました」

原田は競合他社の攻勢に危機感を募らせる一方、EC取引や大型物流施設が増加する中で、リーチタイプの市場が拡大することも予測していた。原田は動いた。突き動かしたのは、お客さまのニーズに応えたい、という思いだ。

「私たちは、1にユーザー、2にディーラー、3にメーカーと考えています。まず何よりも大切なのは、お客さまに喜ばれる商品を届けること。そして販売店の方に気持ち良く売っていただくこと。そのために私たちメーカーに何ができるかを考えなくてはなりません」

リーチタイプの商品をフルモデルチェンジし、拡大する市場に投入したい。そして派生機種も含めた「リーチ・ファミリー」としてセットで世に出し、お客さまのニーズに応えたい――この思いを実現するために、量産1機種と派生4機種、計5機種の同時開発という前代未聞の挑戦が始まった。

※シェア・販売台数は自社調べ

STORY 2

商品企画と製品企画のキャッチボール。

「商品企画と製品企画が、いかに緊密に連携できるか。そこに開発を成功させる鍵があると確信していました」と原田は振り返る。

商品企画と製品企画――豊田自動織機ではこの2つの言葉を使い分けている。商品企画は営業部門、製品企画は技術部門が行う業務だ。

「商品企画とは、お客さまの声や市場の状況を把握し、技術部門に『このような商品をつくりたい』『このような機能を搭載したい』と要望を伝える仕事です。また、その商品が事業の発展にどう貢献できるかを分析し、経営層や社内各部署へ開発プロジェクト立ち上げの提案も行います」(原田)

それに対して製品企画とはどのような仕事か。担当した西脇はこう説明する。

「商品企画から受けた要望を、エンジニアの視点から実現性のある形にしていくのが私たちの仕事です。技術部門のまとめ役として各部品の設計者と連携し、技術的に実現可能か、コストはどうかなども検討し、商品企画とキャッチボールしながら商品をつくり上げていきます」(西脇)

このように商品企画と製品企画、つまり営業部門と技術部門が一体となった体制が、豊田自動織機におけるフォークリフト開発の特長であり、強みなのだ。

イメージ画像

STORY 3

お客さまの思いを「自分ごと」として理解する。

商品企画と製品企画の緊密な連携は、さまざまな機会において実践された。

例えば市場調査。リーチタイプの新機種をどのような商品にするか、そのヒントをつかむため、お客さまの声を作業現場で聞く調査活動を、商品企画担当はエンジニアと共に、国内・海外で実施した。

「アンケートによる調査も実施しましたが、それだけではお客さまの本当の思いは分からないと考えています。例えば、ある機能の満足度が5点満点中2点と記入されていたとします。なぜ2点なのか。お客さまはどのような作業をしているときに、どう感じているのか。それらをエンジニアも『自分ごと』として具体的に理解しないと、本当に打つべき手は分かりません。だから私たち商品企画担当だけでなく、エンジニアも一緒にお客さまの作業現場に行く機会を大切にしました」(原田)

「一緒にお客さまを訪問した際には、商品企画と製品企画、それぞれで別の日報をまとめることにしていました。お客さまの声や商品の使い方について、どこに注目し、どう捉えたか、商品企画の目線と製品企画の目線では異なるところがあるからです。現場における使用状況を複数の視点から分析することが、お客さまのニーズにより深く応えられる商品づくりにつながる。私たちはそう考えています」(西脇)

モデルチェンジに当たって維持すべきアイテム、変えるべきアイテムの見極めも、商品企画と製品企画で議論・検討を重ねながら進められた。

「お客さまや販売店の声を基に『ここは当社の強みになっているから維持したい』『ここは競合他社商品と比較して劣っているから手を打つべき』と検討していきました」(原田)

「技術部門では競合他社の商品を実際に操作し、長所・短所を徹底的に洗い出しました。耐荷重や加速性などの基本性能を確かめるだけでなく、社内にコーンとポールでコースを作り、さまざまな走行モードを試したりもしました。その上で新機種ではどのように競合他社に勝っていくのか、みんなで追求していきました」(西脇)

イメージ画像

STORY 4

従来モデルからの大胆な変更。

商品企画・製品企画の担当は共にお客さまの声を丹念に聞いた。しかし、目指したのはお客さまの声に応えるだけの商品ではない。お客さまのニーズを超え、「うれしさ」を創出する商品だ。その象徴とも言える部位が、運転席である。従来前方にあったピラーを後方に配置するという大胆な変更を施したのだ。

「ピラーの位置を変えてほしいという声が、お客さまからあったわけではないんです。でも私たちとしては、この形がベストだと考えました」(原田)

ピラー位置の変更においては、商品企画・製品企画間でどのようなキャッチボールが行われたのだろうか。

「商品企画としては『より広い前方視野を確保したい』『運転するオペレータに安定感をもって作業いただけるようにしたい』という要望を製品企画に出しました」(原田)

その要望への対応として製品企画が出した提案が、ピラー位置の変更だった。

「リーチタイプは、使用時によく旋回します。ピラーを後方に配置することで視野が確保できるだけでなく、遠心力で振られがちなオペレータの体をピラーがサポートしてくれるというメリットも生まれるのです」(西脇)

ピラーの位置を変えるという方針は決まった。しかし実現に至るまで、かなりの試行錯誤を要した。

「細かな位置調整に苦労しました。お客さまの作業現場に試作車を持っていくと、『何だかちょっと違う』といった反応もあって。その場で段ボールを切ったり貼ったりしながら、『この位置ならどうでしょう』と視野確認のやりとりをさせていただいたこともありました」(原田)

「試作車には私も乗りましたし、設計者も、原田さんも乗りました。評価を専門に行うドライバーはいますが、プロジェクトメンバー一人ひとりが『自分ごととして検討したい』という思いを強く持っていますから。それぞれが乗った実感からの意見を出し合いながら、仕上げていきました」(西脇)

イメージ画像

STORY 5

重要な仕事を若手に任せる風土。

このプロジェクトにおいて、営業部門と技術部門、それぞれの新人が重要な役割を担っていたことも特筆すべき点だろう。

設計者の一人として携わった馬場は、このプロジェクトが自身にとって入社後初めての開発参加だった。

「4機種の設計を担当しました。試作車の設計、その評価、改善、量産の設計という流れで進めるのですが、同時開発なのでとにかく多忙でしたね。次から次へ取り組むべきことが出てくる。初めての開発だったので『こういうものなのかな』と当時は思っていましたが(横で聞いていた先輩の西脇 笑)、4機種の同時開発は、実は特殊なケースであることを後で知りました」(馬場)

馬場は主に重量配分の設計を担当。この設計はリーチ・ファミリーの商品力を左右する重要なポイントだという。

「重量配分によって、車両の安定性が変わってきます。安定性に効くパーツは機種ごとに異なるので、できるだけ4機種それぞれで最適なものを使いたい。しかしその一方で、できるだけパーツを4機種共通にしないと生産の負荷やコストが増大してしまう。そのような中で、いかにパーツを共通化できるかに腐心しました」(馬場)

こうした重要なポイントを若手に任せる風土が豊田自動織機にはある。

「やり遂げたことは大きな自信になりました。今はもう『リーチファミリーの重量のことは俺に聞け!』と社内で自他共に認める存在になっています(笑)」(馬場)

営業部門の澤井は配属後すぐに「発売準備」と呼ばれる業務を担当した。カタログ、プロモーションビデオ、販売店向けマニュアルなどを作成する仕事だ。

「いろいろなツールを4機種分、同時並行で作っていくので大変でしたが、私も最初の仕事だったので『こういうものなのかな』と(笑)。カタログの写真では私がオペレーターのモデルも務めたんですよ」

そもそも入社後、最初に配属された部署が、商品企画を行う部署だったことに澤井は驚いたという。

「商品企画という仕事には豊富な商品知識が必要なので、『1年目で経験させてもらえるんだ!』と驚きました。当時は入社して間もないのでフォークリフトの商品知識はまだ何もない状態です。配属当初、上司からは『逆に何も知らないからこそ、フレッシュな目線で気付くものもあるから、そういう面で貢献してほしい』と言われました。豊田自動織機の『既成概念にとらわれない風土』を実感しました」(澤井)

イメージ画像

STORY 6

販売開始後も、営業・技術の担当が共に市場調査。

十数年ぶりにモデルチェンジしたリーチタイプの新機種とその派生機種は「Rinova(リノバ)」シリーズと名付けられ、発売された。名前には、リーチタイプ電動フォークリフト(R)で物流現場を革新(innovation)、という意味が込められている。

大きく向上した商品力により、リーチタイプの販売台数は大きく伸びた。さらに「機械工業デザイン賞」の最優秀賞である経済産業大臣賞も受賞した。これは先進的で魅力的な商品の企画・開発に加え、効率的に生産できる製品としたトータルデザインが高く評価されたものだ。

しかし、プロジェクトメンバーはそれで満足することはない。発売後にも開発の効果検証として、商品企画・製品企画の担当が共にお客さま・販売店の声を聞く市場調査を実施した。

「国内だけでなく、海外も回りました。私は馬場君とマレーシア、西脇君と中国へ。澤井さんはタイなどへ。『すごく使いやすくなったよ』といった声をエンジニアと一緒に直接聞けたのはやはりうれしかったし、逆に『ここがもう少しこうなるといいな』といった指摘を受けて課題が明確になったのもよかったと思います」(原田)

「ピラーの位置を変えたことについて、狙い通り『前方視野が良くなったよ』『ピラーにもたれられるから、安心感がある』という声を、たくさんいただくことができました。みんなで苦労した部分なのでうれしかったですね」(馬場)

イメージ画像

STORY 7

これからも緊密な連携を意識していきたい。

プロジェクトの成功を経てメンバーはそれぞれ成長し、得た経験を糧に次の成長を見据えている。

「初めて参加したプロジェクトで設計者として学んだのは、緊密な連携の大切さです。他の部位の設計者とはもちろん、営業、製造、品質保証など、さまざまな人ときめ細かに連携を取ることがより良いモノづくりにつながることを、実感として学ぶことができました。今後のプロジェクトにおいても連携を意識して取り組んでいきたいと考えています」(馬場)

「原田さんや技術部門の皆さんと市場調査に参加する中で、お客さまのニーズを正確に知るために先輩の皆さんがどのような聞き方をしているか、そしてどのような熱意を持って開発に取り組んでいるか、勉強させてもらいました。自分が担当する商品を持ったとき、先輩の皆さんのように『より良い商品をつくるんだ』という強い意識を持って取り組みたいと思います」(澤井)

「技術部門のエンジニアとして知見の幅が広がったので、商品企画から今後『こういう商品をつくりたい』という要望が出たときに『技術的にこんなことができるよ』とより幅広い提案をしていけると思います。これからお客さまの作業現場ではオペレーターの定年退職に伴う人材不足など、さまざま変化があると思います。そういった課題の解決を手助けできるよう、より幅広い視野で、既存のフォークリフトにこだわらずに新しい商品を提案できたらと考えています」(西脇)

「技術部門のエンジニアと一緒に市場調査に行く中で、『みんながお客さまと向き合ってくれている』と実感できて、営業部門としてはそれが非常にうれしかったですね。お客さまと真正面から向き合うエンジニアがどんどん増えて、会社全体のモノづくりがより良くなっていくといいな、と思います。私個人としては海外に赴任する予定があるので、海外のお客さまに貢献するために、これまで同様、技術部門と一体となって取り組んでいけたらと思います」(原田)

世界シェア・国内シェアNo.1の背景にはお客さまニーズに応える商品力があり、その商品力の源泉には営業・技術の一体感がある。未来のお客さまのさらなる「うれしさ」のために、営業・技術の緊密な連携による挑戦はこれからも続く。

イメージ画像