豊田自動織機 RECRUITMENT WEBSITE

ITデジタル推進

デジタルトランスフォーメーション推進

モノづくりの強み ×
先進デジタル技術で、

ドラスティックな変革へ。

MEMBER

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    ITデジタル推進本部
    DX推進部
    曽和 真理

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    ITデジタル推進本部
    DX推進部
    井上 雅昭

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    ITデジタル推進本部
    DX推進部
    市川 慎一郎

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    ITデジタル推進本部
    DX推進部
    末高 直樹

STORY 1

大きな時流の変化を捉えてスタート。

豊田自動織機は1926年の創立以来、常に社会や時代の変化を見据え、新たな分野へ果敢に挑んできた。その挑戦を支え続けてきた精神が「豊田綱領(社是)」だ。社祖・豊田佐吉の遺訓をまとめたものであり、トヨタグループ各社の社是・社訓として受け継がれている。

豊田綱領は5項目で構成され、その中の一つに次の言葉がある。

「研究と創造に心を致し、常に時流に先んずべし」

卓越した考えや先進技術を世界に広く学び、自らの知恵を絞って新たな価値を創造し、いつも世界をリードし続ける、という意味だ。

今回紹介するプロジェクトも、大きな時流の変化を捉えてスタートした。その時流とは、「デジタル化」である。

STORY 2

海外視察で目の当たりにした、世界との差。

話はプロジェクトスタートの約1年前に遡る。インダストリー4.0というキーワードが注目を集めるなど、既に世界の産業界ではデジタル技術を活用して業務効率化やお客さまへの提供価値向上を目指す取り組みが加速し始めていた。

デジタル化のうねりは産業界を一変させるほど大きなものになる――そう捉えた豊田自動織機の経営層は、各部門のメンバーと共に海外視察を実施した。アメリカのシリコンバレー、ドイツ、フランス、中国。各国の企業におけるデジタル技術活用の先進事例を目の当たりにし、参加メンバーは圧倒されたと言う。

参加メンバーの一人、井上は当時、コンプレッサー事業部でアルミダイカスト(金型鋳造)技術の開発に取り組んでいた。

「当社のカーエアコン用コンプレッサーは、世界トップシェア。製造工程においても世界トップの造り方を追究し続け、実現してきました。しかし各国のデジタル活用の現場を見て衝撃を受けました。私たち日本人の感覚からすると、まるでSF映画のようにスマートで効率的なモノづくりが現実のものになっている。作業者の働き方にも変革がもたらされている。当社はモノづくりのメカニカルな部分については強みを持っていると自負しています。しかし今後はそれだけでなく、デジタル活用を強力に推進しないと、世界で戦っていけない。そう、はっきりと分かりました」(井上)

曽和は当時、新規事業企画に携わっていた。

「業務の進め方やお客さまに対するマーケティングなどについてもデジタル活用の先進事例をいくつも聞き、『これは大変なことになっている』という印象を持って帰国しました。そして、世界から遅れをとってはいけない、全社を挙げてデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)を推進しなければ、という危機感から本プロジェクトを発足したのです」(曽和)

※シェアは自社調べ

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STORY 3

「着眼大局、着手小局」で推進。

発足されたプロジェクトチームは全社DXを推進するに当たり、「着眼大局、着手小局」という考え方を打ち出した。メンバーの市川は次のように解説する。

「大きな視点から問題を捉え、小さなことから実践していく、という意味です。まずDXに関する問題の全体像を、全社視点で捉える。そして全社展開を見据えた構想・計画を立案しながら、小さなテーマでもよいので早く結果を出し、その成果を迅速に全社展開する。このような考え方で進めていくことをメンバー間で共有しました」(市川)

まずは着眼大局。デジタル活用の現状把握に取り組んだ。世界有数の総合テクノロジー企業の協力を得ながら、コンプレッサー事業部のデジタルアセスメント(デジタル活用評価)を実施した。

「デジタル活用について何ができているか、何ができていないかを、協力会社に評価してもらいました。その過程では、役員や管理職、延べ200人を対象に約50回にわたるミーティングを重ねました」(市川)

「徹底的な調査でしたね。ビジョンやロードマッブなどの大きな視点に関する内容から、工場で使用している機器やソフトウェアなどのピンポイントな内容まで、さまざまな質問を受けました」(井上)

デジタルアセスメントの結果、「部門間や製造設備間のデータ連携ができていない」「自動化が遅れている」など、いくつかの問題点が浮かび上がった。

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STORY 4

熟練作業者の勘や経験に頼っていた工程。

次は着手小局である。社内で先行してDXに取り組むモデルケースの一つとして、コンプレッサー事業のアルミダイカスト工程が選定された。

アルミダイカストは、高温で溶かしたアルミニウムを金型に圧入し、短時間で成形する製法。高精度の鋳物を造ることに適しており、カーエアコン用コンプレッサーにおいても重要部品の製造に用いられている。

「ダイカストは管理が非常に難しい工程です。溶融アルミニウムの温度や射出速度などの製造条件が刻一刻と変化する上、鋳造したモノの中身は加工工程で削った時にしか見ることができません。つまり品質の善し悪しは後工程に移ってからでないと判断できない。だから、どのような条件で鋳造すると、どのような不具合が発生するのかが、とても把握しづらいのです。これまでは熟練作業者の勘や経験に頼っていましたが、その状況をビッグデータやAIを活用することで改善することを目指しました」(井上)

このテーマにメインで取り組んだのが末高だ。学生時代はAIを研究。入社して最初の配属先がDXを推進するプロジェクトだった。

「まずアルミダイカスト工程でビッグデータを収集できる環境の構築に取り組みました。現在では射出1回当たり、約4万項目のデータを取得できます」(末高)

問題はデータをどう活用するかだ。膨大なデータを生産性向上につなげるためのAI開発は、難航を極めた。

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STORY 5

AIは魔法の杖ではない。

井上と末高は射出時に得られるビッグデータをAIによって解析するとともに、これまでに蓄積された知見と照合。「製造条件を安定させて不良品の発生を抑える」「良品・不良品の判定をより正確に行えるようにする」などのテーマに取り組んだ。

開発が難航したのは、AIによって答えが出ないからではなかった。答えが出てしまうことが問題だったと二人は振り返る。

「間違った答えに振り回されることが最初は多かったですね。AIは必ず何かしらの答えを出します。それが一見、正解に思えてしまうのですが、より詳細に見ていくと、実は元データの偏りが悪影響を及ぼして正解に見えていただけ、というケースが何度もありました」(末高)

「AIと聞くと、魔法の杖のように何でも解決できると思われがちですが、そうではありません。AIが出した答えが本当に正しいかどうかを確かめるためには、ドメイン知識(ある専門分野に特化した知識)、そして現地・現物、原理・原則が重要になります」(井上)

現地・現物、原理・原則は、モノづくりの基本である。AIの開発においてもその重要性は変わらない。末高は製造現場に何度も足を運んだ。

「情報系の知識だけではAI導入を進めることはできません。活用する場の知識がいかに重要かを痛感しました。実際にモノを見て、現場の方へのヒアリングを重ねて、アルミダイカストの理解に努めました」(末高)

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STORY 6

自分たちも驚くほどの成果。

豊田自動織機にとって未開拓な領域への挑戦。アルミダイカスト工程に導入するAIの開発は何度も失敗を重ねた。当初の計画では1年間で成果を出す予定だったが、大幅な延長を余儀なくされた。しかし、メンバーも経営層も、あきらめるという選択肢を選ぶことはなかった。そして2年がかりで大きな成果を出すことに成功する。

「元々の目標は不良を50%減らすことでした。それを大幅に上回る約80%減を達成できたのです。途中までは苦労の連続でしたが、最後は『ここまでうまくいくとは』と自分たちも驚くほどの成果を出すことができました」(井上)

成功したポイントの一つは「長期間にわたって蓄積したデータの波形を、一度に見られるようにしたこと」だと末高は語る。

「一つの波形だけを見た時には違和感を感じなかったデータも、大量の波形を重ね合わせると明確な差を認識できることがありました。こうした変化はなぜ起きるのか、AIを使って真因を追究し、抑えるための対策を現場の方々にフィードバックしました。すると製造条件が安定するようになり、不良率の大幅な低減につながったのです」(末高)

「現場の熟練技術者・作業者の皆さんからは『今まで薄々分かっていたけど説明できなかったことが、全部データに出ている。ありがとう』と言われました。皆さんが困っていたポイントに手を差し伸べることができ、うれしかったですね」(井上)

開発したAI技術は今後、国内外のダイカスト工程に展開していく。

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STORY 7

若手社員が先頭に立って活躍できる。

ダイカスト工程におけるデジタル技術活用の成功は、全社的なDX活動を推進する上での力強い第一歩となった。

「今回紹介したのは製造部門を舞台にした取り組みでしたが、他にも開発部門や生産技術部門においてDXを推進しています。そして今後は、デジタルを活用したスマートな製品、サービス、ソリューションにより、お客さまに新たな価値を提供する取り組みも強化していきます」(市川)

「今回の成功を全社的なDX活動としていくためには、社員みんなが当たり前のようにデジタル技術を使い、自分の仕事を変革していく風土を作っていくことも大切だと考えています」(曽和)

そうした風土醸成の鍵を握るのは、これから入社する若手社員だ。

「私たちは長い歴史の中で築いてきたモノづくりの強みに、最新のデジタル技術を掛け合わせて、ドラスティックな変革を進めていこうとしています。若い人にも挑戦できるチャンスがあるので、これから入社する皆さんにはぜひ、思い切って新しいことにチャレンジしてほしいと思います」(曽和)

「デジタル技術を発揮して若手社員が先頭に立って活躍できる場は多いと、自分自身の経験から実感しています。当社のDXをぜひ一緒に発展させていきましょう」(末高)

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